2010年8月11日 のDEKO-GANG

また突然思いたって…

10-08-11 小説

また思いたって、『遙かなる時空の中で』の小説をアップします。カウンターを見たら、先月、「突然、思いたって…」で書かせていただいた、「遙かなる~」の小説が好評だったみたいで、たくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです。本当にありがとうございました。
今回は、遙かなる時空の中で4の主人公視点で書いております。読み終わり時に、少しでも何か残ってくだされば幸いです。4は賛否両論ありますが、こんな姫様ならいいな…
ということで書きました。ではでは、遙かなるワールドへ!どうぞ!

 
『・・・ in the belief that』

 

人は…なぜ戦おうとするのだろうか…

誰か教えてください…

大切な人を失いたくないから…?

自分の意志を貫きたいから…?

その一つの手段として「戦争」があるというなら…

わたしは…それを否定する。

この手が一度血に染まれば、二度とその血を

拭うことはできない。

血はわたしの身体に染みこんで

蝕んでいく…わたしの身体に

大罪の証となって刻まれる

大罪はやがて

憎しみとなって沸き上がる

…決して

終わることのない永遠(くつう)となって心を蝕んでいく…

いつ終わるの?平和は、すべての痛みの終わりなの?

わらって

わらって

わらって

平和が来たよ……と…

わらって…

ちがう…

平和は…

次の混沌を生む過程に過ぎない…

その平和が

血によって生まれたものなら…

きっと…

血の匂いを忘れないから

いつかまた

血を欲してしまうから…

そこで本当に

わ ら え る の ?

わらえるはずない…

 

「姫さま…」

虚ろな瞳が、わたしの手を握る。その微かな温もりに我に返る。

少しずつ…でも確実に、その命が終わりを告げようとしてるのに

わたしには…彼の手をとって、ただただ過ぎゆく時間を…失われていく瞬間を…幼いこの命

をこの瞳にうつすことしかできない…

名も知らぬこの少年は

何故…消える?

平和を求め、笑顔を求め、必死に生きてきた彼は…

ただこの死(瞬間)を迎えるために今まで命を燃やし、力を費やしてきたのか

少年とわたしの違いは何だ?

生きるものと、消えるものの境目は何だ?

…消えゆく命を前に…わたしは…ただ…ただ自問自答する。

彼の冷たくなっていく手を握りながら…願うしかできない。

その熱を奪わないで。

このぬくもりを失わないで…  

なんて            なんて

無力な私の手

「…姫さま…おれ…死んでもいいって思ってた…

姫さまのために戦って、平和な国をつくるためなら…おれの命なんて安いと思った…

首を振る。そんなことはない。そんなことは決してない。いらない命なんて無い…

でも…でも…でも…失って、気が付いた。

わたしは…

何人殺した?

尊い命をいくつ  盾にしてここまできた?

ああ…ああそうか…

これが…

わたしが殺してきた全ての人達が感じた気持ち。

無力感・悲壮・後悔・憎悪…

わたしの身体を貫く激しい感情の渦…

「・・・・でも、いまは…死にたくない…姫さまと、もっと一緒にいたい…」

喉から漏れる空気は、少年の傷が致命傷であることを否応なしにわたしに告げる…

「明日」を恐れなくていい。この不安を取り除く全ての答えは、

きっと…明日という未来にこそあるから。

『大丈夫…明日はきっと笑えるよ。』

そう励まし合ってきた。明日にさえなれば…

あした…

涙がこみ上げて来る

この少年は明日を迎えられるだろうか…

「また…姫さまの顔…見たいや…おれ…わがままだ…なぁ…」

ふっと少年の口元が緩んだ。痛々しい、でもこの世のども神像より慈悲深い表情に見えた。

「ごめ…」

ふと口をついて出そうになった言葉を彼は遮った。

「・・・あやまっちゃだめだよ…。姫さま…。あやまったら、おれたちの存在がきえちゃう…姫さまを…守るために…おれは戦場(ここ)にいる…」

涙がとまらない。彼の顔が見えない…

「…姫さま…ごめんね…姫さまのこと

ずっと守ってあげたかった…平和になって、オレの家でとれた

お米持っていけなくてごめ……さい…」

絡めた指から力が弱く、か細くなっていく……

彼が消える理由は…?

生と死の境界線は…?

『うまれおちた場所』

平和な世界に生を受けていたらきっと

消えずにすんだ…このぬくもりがこんなにはやく、消え去ることはなかった…生まれる世界が違ったら………

ちがう   ちがう     ちがう

何処に生まれても

奪われる命があってはならない

場所によって、生きる権利が侵されることを許してはならない

何処に生まれても

その命の可能性を消してはいけないはずだ

死ぬために

生まれたんじゃない

生きるために、生まれたんだ

大切な人が失われることのない世界…

国を取り戻すということが、どういうことか…知っていた。

知っていたはずだ。

彼らがこうなることを知っていてなお、国を取り戻すことを決意した。

今日という日を迎えた…。すべての選択は自分。

命の選択は、自分で行ってきた。

その結果が「彼」 

国を取り戻すことが、みんなの幸せだと思っていた…確かにそうだと思う。

それは間違っていない…でも

でも…そこに失われる命がある 

奪われる命がある

激しい後悔に胸が張り裂けそうになった。

意識が遠のく。このぬくもりと共に消えたいと思った

もう…

姫じゃない。

もう…

人ですらないかもしれない…

わたしは…

人殺し…

目の前が真っ白になる。これが虚無。

崩壊する精神の旋律…もう壊れてしまえ。わたしなど…いっそ…

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

え?

『…姫さま…わらって』

確かに聞こえた。

頭がおかしくなったのだと思った…

彼がわらったように見えたから

『姫さま…全部持っていくから…

…姫さまの…苦しみも…悲しみも…

姫さまには喜びだけを感じて欲しい

おれが知りたかった

「平和」を

みて

つくって

守って

大好きな姫さまが…わらってくれたら…

それだけでいい…や

おれ…姫さまが好きだ…』

少年の命が、紡いだ最期の言葉。その言葉はわたしの中で輝いた。

優しく、強く…永遠に感じた瞬間。

その不思議な力。想う力。何と力強い輝きだろう。

姫さま

わらって

わらって

指からさらさらとおちる砂のように…

一つのぬくもりが消えた。二度と戻らない。二度と手には入らない。

今まで…失ってはならないたくさんのぬくもりを…誰かの涙を…ずっと…

見て見ぬふりをしてきてしまった。仕方ないと言い聞かせてきてしまった。

わたしは、大儀を成した。

しかし同時に…

大きな過ちを犯したのだ…

戦いは終焉を迎える。
空には、一つの雲もない。澄み切った青空に、どこまでも続く景色。遠くで喧噪が聞こえる。この芦原の宮から臨む景色は、そこに住む人々の力と、先人達の熱い想いで生命の息吹を取り戻しつつある。

たくさんのぬくもりを奪って、失って…そして、その上に立つ

芦原の宮。それはとても美しい美しい世界。

「収穫祭に出かけるお時間です。皆(みな)が姫さまをまっております。」

背後の声に振り返り、わたしは一歩踏み出す。

目の前に続く果てしない修羅の道。

わたしは…

生きる。この道を。決して目を背けずに。そして…

血塗られた平和を解き放つ…

それがわたしの償い

奪うのではない…

引き裂くのではない……

血の契約ではなく

人と人が心と心を媒体にして

全てを受け止め合えるその日まで…

わらって

わらって

わらって

 

                                         【始】

こんばんは。残念です_(._.)_

10-08-11 お知らせ, 紅ノ誓刻

夏コミ…落ちました…がーん。
大変、告知が遅くなって申し訳ないです。夏に無料配布するはずだった体験版などは、このサイトや別イベントで配布を考えています。
うう…夏コミやっぱり競争率が高いですねm(_ _)m毎年、この時期はもの悲しいです…。遠い目。
亀のような遅さで本当に申し訳ないですが、どうぞ長い目で見守ってください<(_ _)>